キラリスペクト・プロジェクト 立ち上げの背景

キラリスペクト・プロジェクトを立ち上げたのは、代表である私、植田由貴子の体験からなります。

会社員時代デザイナーをしていました 。独立後、フリーランスで活動していましたが、自分の力を試すべくニューヨークの作品展に出展しました。

初めて経験する海外の作品展で自分の作品が売れたんです。

それまで、会社の業務上でのデザインしかしたことがなく、初めて自分の作品というものを作り、それが売れたという経験。何者でもない自分のアイデンティティが海を超えて認められたという、味わったことのない喜びを感じました。

なぜなら日本の場合、クリエイターやアーティストの地位は、過去にどんな実績があるか、どんな企業と仕事をしたかなどの「功績」によって評価される傾向にあり、実績の少ない無名のクリエイターやアーティストの価値は認められにくい、そういう傾向にあると感じていたからです。

しかし、ニューヨークではどこのアートギャラリーも気軽に入ることができ、街のいたるところにもアートが存在し、日常的にアートを楽しむ文化が確立されていると感じました。実績に関わらず、ただ目の前の作品を評価する。良いものは良いと認める土壌があるのだと思ったのです。

自社のアイデンティティを表現できるもの
自社商品・アクセサリーブランド「Kilarespect キラリスペクト」を開発、販売

ニューヨークで何かを展開していくために、自社商品を作りたいと考えていました。そんな時、仕事で訪れたとある工場で端材が目に留まりました。工場では不要なものとされていますが素人の私たちには、とてもユニークなものに見えました。

工場にあった端材

そこで、ニューヨークでの光景が蘇りました。築100年以上経つビルがおしゃれなアートスタジオに、衰退した工業地帯がショッピングスポットに。

私たちの掲げるコンセプト「本来その人やモノが持っているキラリと光るものを見直し輝かせる」はこの時に生まれ、工場の端材の個性を活かしたアクセサリーとして企画・生産・販売までを自社で行いました。

金型工場から出た端材を使ったデザイン

工業部品として使用される真鍮のメッシュ

念願のニューヨーク・ソーホーにあるセレクトショップにて委託販売スタート

「ニューヨークで何かを成し得たい」そんな想いで起業し、走り続け、ご縁あってニューヨークでの販売が決定。

「ニューヨークで何かを成し得たい」そんな想いで起業し、走り続け、ご縁あってニューヨークでの販売が決定。

しかし、何の知識も経験もない私たちは、輸出、商標、関税など・・様々な問題にぶち当たります。そんな時に、手を差し伸べて下さった周囲の方々。皆さんの応援、サポートがあったからこそ実現できました。

3年間の取引を続けるが、コロナで街がロックダウン
商品はすべて撤退したが、次なる目標へ

自社で商品開発~販売を経験したことで、実際にものづくりをしている企業が抱えている悩み、課題を自らの肌で感じました。次の目標を考えた時、まずは自社の強みである企画力、デザイン力を活かして皆さんのお役に立てることから始めようということで立ち上げたのが「キラリスペクト・プロジェクト」です。

自社で経験した海外展開における様々な問題や、大変だったことを、これから海外にチャレンジしたい人や企業と共有し、海外ビジネスを起こしたい。

そのために、ニューヨークに拠点を作ろう!そう考えたのです。

自社商品開発は、企業が抱える課題解決と可能性を広げ、未来を創る

弊社では約10年の間に、200社近くのものづくり企業を取材し、プロモーションに関わってきました。そんな中で「自社商品」の展開をしたいと相談される企業が多くあります。

その理由として、物資の高騰や価格競争、業界の衰退による新たな収益源の開拓、そして別分野へ展開することで本業(既存事業)への相乗効果を得たいという想いがあるからです。

私たちが経験した「自社商品」へのチャレンジは、本業に良い影響を及ぼしました。今まではクライアント向けの制作物であったため、容易に外部に見せることが出来ませんでした。しかし、自社商品であればオープンにできるので、自社の技術やサービスの説明がしやすくなり、発想力・企画力を理解してもらえる機会にもつながりました。

また、実際にエンドユーザーとコミュニケーションを取ることによって、市場をより理解することができたこと、直接感謝の気持ちを受け取ることができたことが、社内のモチベーションとなり、大きな変化を与えました。

商品撮影時にモデルを担当してくださったYumiさん(右)と、ヘアメイクアーティスト・株式会社ailes代表丸本真由美さん(中央)

私たちが掲げる目標、ニューヨークへの道 5ヶ年計画

海外でチャレンジしたい、とはいえチャレンジの「場」が必要です。私たちは海外展開を試みる企業のチャレンジ拠点、または日本に関心を持つ現地人が日本のカルチャーに触れられる場所として商品販売、イベント開催、日本のものづくり体験ができる「CHALLENGE FACTORY」を5か年計画で、2028年にオープンすることを目指しています。

「チャレンジによって自信が生まれ、輝きを増す」

チャレンジは人を輝かせます。自社のありのままの価値、自社ならではの独自性に自信を持って発信していただきたい。そうすれば、必ず世界が広がることを伝えたいです。私たちのチャレンジが企業・個人問わず、どなたかの一歩踏み出すきっかけになることを願います。

2024年に立ち上がったこのプロジェクトでは、国内で年に一度インバウンドむけの販売イベントを実施していきます。そして、2026年にはニューヨークでのPOP-UPイベントを計画しています。参加企業のサポートと並行して、ニューヨークでの基盤を作っていきます。